ファイヤープロレスリングS - 概要

シリーズ通算11作目で久しぶりの任天堂ハード以外の作品です。 実際には先に、外伝の位置づけに当たる作品が当時の次世代機で2つほど出ているのですが、正統シリーズの続編としてはこれが最初の移籍作になります。
このあたりから1ハードで1、2作品出したら次の機種、という根無し草の状態が続いていきます。 今になって思うと、このあたりからプロレスゲーム、特に2Dドット作品に対する逆風が強まっていたのでは、と感じます。

この作品により、近作まで続く基本システムの大半がこの作品で完成した、というのが大きな点と言えます。 これ以降はシステムのブラッシュアップやデータの追加などといった細かな変更をするだけの続編が続き、ファンの焦点は次第に試合以外のモードへと移ることになります。
それがこの作品のマンネリ感を強めていく結果となるのですが。。。


試合面で特筆するところは、「レスラーの大きさ」と「6人同時対戦」が挙げられます。
レスラーの大きさは先にリリースされた外伝「ブレイジングトルネード」とファイプロXの中間ぐらいでしたが、それでもその大きさからくる迫力は「さすが次世代機」という印象を受けました。
6人同時対戦はハードの機能を最大限生かしたもので、実際のプロレスでも頻繁に行われていた3対3のタッグマッチができることはかなりの売りとなっていました。
ただ、この2つの売りがちょっとだけ「ケンカ」をしてしまい、6人同時対戦でキャラが入り乱れると処理落ちが発生する、という少々残念なものとなっていました。 この処理落ちは隠し要素解禁に必要な勝ち抜きモードではやや致命的で、混戦になりがちなタッグマッチ+&処理落ちのダブルストレスはプレイヤーにとってやや負担が多い印象でした。
そうはいってもさすがは次世代機、4キャラを置いただけでちらつく旧世代機と比べれば大きな進歩で、さすがはセガ、という印象を与えたものでした。

この作品で登場して後のシリーズに引き継がれたシステムとしては、ハメ技を防ぐための「呼吸システム」、立ち技の自動回避・反撃システムなどがあります。
「呼吸システム」は技をかけ続ける、走り続ける、相性の悪い技を何度もかける、などのハメ技で良く見られる行動を繰り返すと息切れして一定時間動けなくなる、というものです。 実際の試合でも見られる「攻め疲れ」の再現でハメ技を防ぐというファイプロらしい解決法で、はじめは「総当たりマッチのモードでなかなか勝てなくなった」と不評も多かったものの、総当たりモードのウェイトが小さくなった近作ではかなり受け入れられた印象があります。

このほか、デスマッチスタイル(電流爆破有刺鉄線)やバーリトゥード風マッチといったスタンダード以外の試合形式が採用されたのもこの作品からです。
このように変更点を挙げていくと本当に際限がないのですが、この作品で採用されたシステムの多くは近作にも引き継がれており、ある意味「近作ファイプロシリーズの元祖」といっても差し支えないかもしれません。

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