SNSトレンドの"嘘"

リアルコミュニティのネット連絡・情報共有ツールとして登場したSNSは、どんな人ともつながれるツールとして発展を遂げました。
半面、フェイクメディアの台頭やデマゴーグの拡散、精神致傷・致死事案などの爆発的な増加を生み、利用者を身体と精神の両面から蝕む悪性癌のような存在にもなりつつあります。

さて、このSNSに搭載されている機能に、大流行のトピックや記事、いわゆるバズりをピックアップする「トレンド機能」があります。
SNSを観察すると非常に重宝しているという投稿をよく見かけますが、実はこれ自体が「フェイクに近い存在」という事をご存じでしょうか?
もちろんこの機能そのものがフェイクというわけではないのですが、大多数の人間がこの機能を”悪用”して勝手に偽の流行を多数作り出しているのです。

別ブログ「チラ裏」に書いても良さそうな情報ですが、SNSや検索エンジンを含めたトレンドランキングすべてを否定するかもしれない内容のため、こちらに投稿しています。

●そもそも「トレンド機能」とは何か?

「トレンド機能」はおおむね、特定の期間で投稿・アップロードされた記事や画像、動画などで多用されたキーワードを集計し、その中で上位を占めるものを集計数の多い順に提示する、という仕組みです。
最近はユーザーがSNSにアクセスした時間の直近(おおむね30分~1時間程度)の情報を抽出するようなものもあるようです。
SNSの運営側やスポンサーなどから押し付けられる印象の強い「おすすめ機能」より、多くのユーザーが興味をもっているであろう情報だという推測から信頼度が高くなっています。

多くのユーザーが妄信的に信頼するトレンドですが、半数以上は悪意を持って作り出された「偽トレンド」となっています。
特に「嘘・大袈裟・紛らわしい」のフェイク3原則を地で行くSNSの「X(旧Twitter)」では90%以上が偽トレンド(当方確認ベース)となっており、有料化による「市井からの隔離」を検討されるのもやむなしの状況となっています。
この偽トレンドは現実世界での混乱や事件などを引き起こす場合があり、SNS運営会社だけでなく現実社会にも大きな障害となりうる存在と化しています。

●偽トレンドはどうやって作り出される?

万害あって一利もない偽トレンドですが、トレンドを構成する記事が悪質かつ短期間に大量投稿される、という点が異なるだけで生成される仕組みは通常のトレンドと同じです。

トレンド形成の過程

※これは典型例で、ほかの過程をたどる場合もあります。
※話題性の非常に高いキーワードは「通常」と「偽」の両方の要因が重なってトレンドが激増します。

通常のトレンド 偽トレンド
元記事の投稿
誰かが「返信」「引用」し、関連投稿が増える
元記事が悪用される(コピペ転載、スパムの踏み台など)
関連記事の返信や引用も増える 悪用記事への無意味な返信、批判投稿などが増加する
瞬間的なトレンドとなり、記事アクセス数が増加
元記事、関連記事の返信や引用がさらに増加 金品詐欺やフェイクなどへの誘導、アクセス数稼ぎといった悪質記事への引用が急増
トレンドbotに有力キーワードとして注目され、キーワードを含むスパムが大量投稿される
期間集計でもトレンドとなる
●偽トレンド対策は「トレンドに一切関わるべからず」?!

一般的なSNS利用案内サイトでは「情報の真偽を確かめましょう」「情報源が信頼できるかチェックしましょう」などと提案されていますが、記事の真偽を確認する「ファクトチェック」には人間の常識外で動く「AI」の力を借りる状況となっており、少なくとも一般人のレベルでトレンドの信頼性をチェックするのは不可能です。
したがって現状は、偽トレンドにだまされたくないなら「トレンドを参照しない」のが一番の対策となります。

偽トレンド形成に加担しないよう、「不用意な返信・引用をしない」「投稿と関係がないキーワードを含めない」というのも重要です。
悪質な記事への対処は、引用や返信で批判対応すると偽トレンド形成犯となってしまうため、SNS運営側に問題のある投稿もしくはアカウントとして通報しましょう。
また、アクセス数稼ぎを目的に記事と無関係なキーワードを含める投稿も増えていますが、将来的に準スパム扱いとなり投稿アカウント自体が利用制限を受けるリスクが高いため、もし広報アカウント等でそのような行為をしているなら今すぐやめた方がよいでしょう。

利用者の幼稚化と荒廃化が進んだ多くのSNSは、まともな神経では扱えない代物となってきています。
現実の社会生活への悪影響を抑えたいなら、その枢軸のひとつである「トレンド」には一切関わらないのが賢明です。
トレンドと同じ負の側面が強い「エゴサーチ」「おすすめ」なども利用を避けるべきでしょう。

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