ファイヤープロレスリングD - 概要
セガハードでリリースされた2作目の作品で、ファンの間では最高傑作に位置付ける評価が多い作品です。
ゲームの販売元変更というチャレンジしやすい環境、そして2Dゲームと通信機能で非常に評判が良かったハードの性能がうまくかみ合わさったことが功を奏したのでは、と考えられます。
また、この時代としては前衛的と言える「ネットワーク経由のコンテンツ追加」も、評判が高かった機能です。
前作からの変更点は、、、と挙げればキリがないほどさまざまな要素が追加されています。
シリーズ恒例の技やレスラーパーツはもちろんのこと、特殊スキル、カラーパレット、技カテゴリー、、、と、追加要素だけあげても大小さまざまあるため本当にキリがない感じです。
追加要素で毎回注目される「レスラーの技」は、ゲームが発売された1990年代から2000年代頃に広くはやり始めたものを中心に追加されました。
得意技・必殺技から細かい動きまでそれなりの数が追加されています。
またこの頃は「総合格闘」「危険な攻防」が話題になりやすく、この作品でも関連する技や専用カテゴリーが追加されました。
「総合格闘」からはガードポジションなど寝技での攻防を再現する3つのグラップルポジションが追加されています。
正面組みなどと同じタイミング押しを採用することで激しい攻防を再現しようとしたものですが、プロレス中心のキャラではいまいち有効な利用法が見つからないものでした。
「危険な攻防」では、エプロンサイドでの攻防、雪崩式の攻防(返し技)が追加されています。
中にはダメージが大きく設定された技もあり、万が一反撃を食らってしまうと逆転につながりかねないダメージを受けることもありました。
しかしいずれも状況限定技のためCPU戦ではほとんど見られず、主に対人戦で狙ってやりたい人向けの技と言えるものでした。
グラップルポジションについては後からポジションに入るためのつなぎ技も追加されましたが、あくまでもプロレスゲームということでそこまで歓迎はされなかった印象があります。
エディット面での大きな変化として、カラーパレットの細分化があります。
従来の作品は、色数を抑えるために1つのカラーパレットを多くのパーツで使いまわす仕組みがあり、ボディスーツやタイツに凝ったカラー配置をすると腕や靴などのパーツが不自然な配色になる、などの残念な状況が多く発生していました。
これを避けるため、カラーパレットを増やしたうえで服用・タイツ用・マスク用など用途別にカラーパレットをふり分けることで、違和感が生じにくいカラー設定ができるようになりました。
この「なんちゃって配色」からの脱却は実在レスラー系などリアルな選手エディットの助けとなりましたが、逆に海外の肖像権問題などにつながったかもしれないと考えると、功罪どちらが強かったのだろう、と考えてしまいます。
システム面での大きな追加要素として、この当時としては前衛的過ぎだといわれた「ネットワーク経由のコンテンツ追加」がありました。
今でこそ当たり前の機能ですが、この作品が登場した2000年前後は通信速度がかなり遅い電話線を使ったネット通信がまだ多く残っている時代で、非常に革新的なものではあるもののコストを考えれば割に合わない機能でした。
追加できたデータもメーカー作成の技とレスラーデータ(が格納されたエディットレスラースロット)のみと、現代の通信機能と比較すればかなり陳腐なものでした。
またサーバーにレスラーデータをアップロードすることで遠隔地のファンとロジック対戦出来たシステムは、ファンの間では非常に「熱い」ものでした。
この機能を使ったメーカー公式大会は勝利優先のレスラーが幅を利かせることが多かったものの、メーカーやファンの努力もあり大団円で終わっています。
現在ではネットワークサービスを提供していたサイトが消え、追加データどころか当時の公式サイトも見つからなくなっているのが残念なところです。
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