スーパーファイヤープロレスリング クイーンズスペシャル - 概要
「スーパーファイヤープロレスリングSPECIAL」の女子プロレス版・・・
と説明できれば簡単なのですが、実際には「ファイプロ女子オールスタードリームスラム」という別系統ゲームの続編です。
このシリーズは一部の女子プロレス団体と提携しており、そこに所属するレスラーをモデルとしたキャラクターは実名で登場します。
また使用する技も「ファイプロネーム」と呼ばれる変名ではなく実際の名前での登録となっています。
このように正統なファイプロシリーズとは一線を画したやや個性的な作品となっています。
前作が古い作品のシステムを使っていてブラッシュアップが必要になり、(その当時の)最新の仕様であるSPECIALの機能をフィードバックしたことからタイトルにスペシャルとつけた、というところでしょうか。
別系統シリーズということで、正当なファイプロとは見た目からして違います。
まずレスラーキャラですが、(当時のゲーム機としては)かなり綺麗です。
ほりが深い印象の男子メインのシリーズと比べるとキャラの等身が高めで、肌の色合いも透明感を感じるようなグラデーション多めの設定となっているため、「魅せ方も重視する女子プロレスっぽい」という印象を強く与えます。
また実際にプレイした人もしくはプレイ動画を見たことがある人はご存じかと思いますが、キャラのアニメーションもきれいです。
このあたりは実名搭載の選手も多いため、クレームを受けないよういろいろ頑張った結果なのかもしれません。
このほか雪崩式技の複数装備やハンマースルー返しのような派手な試合展開を見込める動作が先行で搭載されるなど、いろいろ注目すべきところがあります。
ただ採用されている技が当時の女子レスラーが使うものを中心としていたことから、使い手がいないor男子は使わないということで近作に至っても復活していない技が多いのが残念なところです。
試合面では「ボタン入力による手四つ」というシステムがあります。
現在まで続くシリーズでの手四つは技入力が同時にぶつかった場合の「相殺アクション」ですが、この作品では任意のタイミングで出すことができます。
アクションは手四つで勝つと打撃を入れて再度組み合うという独自の動きで、近作で採用された打撃応酬に近い印象もあります。
ただ体力差があると技をキャンセルされてしまう手四つシステム共通の仕様があるため、いまいち使いどころがわからない機能になっている感があります。
このほか、特殊状態として一定時間ですが専用ロジックに分岐して体力の回復度合いが変わる「キレた状態」が採用されています。
これは正統ファイプロにある「流血状態」の置き換えに近いものですが、特殊状態のなりやすさや持続時間などを専用スキルエディットで設定できるなど、独自性がやや強めでした。
レスラーエディット機能もかなり独特です。
正統シリーズとの大きな違いとして、技の装備にポイントが必要であることが挙げられます。
これはエディットレスラー育成モードを兼ねる赤いベルト挑戦モードとの連動性を持たせるためのものと考えられますが、技を装備するのにもエディットポイントが必要で、ハデな大技になるほど多くのポイントが必要になる、というシステムになっています。
後の作品でレスラーの格付けや人気度をスキル(プロフィール)で設定できるようになりましたが、「ポイントの高低=レスラーとしての格の上下」というわかりやすい機能でこれを体現したシステムと言えるかもしれません。
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