ファイヤープロレスリングG - 概要

シリーズ通算で12作目、現在正統シリーズがリリースされているSONYのゲームハードに初上陸した作品です。 (その前に出ていた3Dの作品はどちらかというと別シリーズの3Dプロレスゲームに属する「分家」のような存在なので、ここではノーカウント)
この作品をもってファイプロ生みの親である会社「ヒューマン」がなくなり、以降の作品は権利を取得した会社からのリリースとなっていきます。 しかしこの作品の遺伝子はのちの作品にも引き継がれ、前作とともに礎のひとつとなっています。

ちなみにこの作品はゲームアーカイブ対応ソフトとしてリリースされ、SONYの携帯ゲームハードでもプレイできたことから、どこでも遊べるファイプロ作品として一部で話題となっていました。


この作品は「アクションよりのプロレスエンタメゲーム」という方が良いほどサイドモードが充実しています。 試合の操作方法を学べる「道場」、CPU対戦のチャンピオンを目指す「エディットランキング」、練習生から王者を目指すストーリーモード「ファイティングロード」、ポケットステーション対応ミニゲーム「ファイプロポケット」など、かなりの数です。

この作品だけに登場するモードとして、「エディットランキング」と「ファイプロポケット」があげられます。 どちらもおまけ要素が強いものの追加機能のアンロックと連動しており、隠し要素を全解禁するにはプレイが必須となっていました。

エディットランキングはCPUロジック対戦方式で50人(組?)に勝ち、チャンピオンを目指すというものです。 使用できるのはエディットレスラーに限定されますが、試合の合間でデータの更新が可能となっています。
いかに相手の能力にあわせたデータを作るか、効率の良いロジックを組めるか、といった能力が問われるモードでした。 最も相手の中には「チート級」の能力を持つものも含まれているため、簡単に勝たせてはくれないようになっていましたが。

ファイプロポケットは「ポケットステーション」という携帯ゲーム機能を持つメモリーカードでプレイできるミニゲームです。 内容は、用意されたフィジカルトレーニングのミニゲームをプレイしてレスラーの経験値をためる、というシンプルなものでした。

また、のちの作品に形を変えて登場したモードとして「ファイティングロード」が挙げられます。 ファイティングロードはオリジナルキャラの主人公およびライバルを中心としたストーリーモードで、試合内容や選択肢によって結果が分岐していきます。
話に絡むキャラクターは作品発売当時に実在した団体のレスラーをモデルにしたものが多く、プロレスファンが「二ヤリ」とする要素がいたるところに含まれていました。 このモードをクリアした時のレスラーデータはエディットレスラーとして保存できるため、愛着のあるキャラを保存して使い続ける、ということもできます。
このほか近作に引き継がれているシステムとして、オリジナル団体とそのロゴが作れる団体エディット機能、2つのメモリーカード間でレスラーの交換ができる機能、などがあります。

このように良作・神作として位置づけられそうな要素が多かった半面、ハードウェア性能の関係からキャラの表示サイズがやや小さく、同時対戦人数も前作から減って4人になるなど、やむを得ない事情はあったものの劣化とうつりそうなネガティブな変化もありました。 冷静に考えればそこまで批判されるほどのものではなかったものの、この作品の前後がより優れた作品であったためやや不遇な立ち位置になったといえるかもしれません。

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