??? (1)
「然し、あの字よ」
「はい」
「何時まで暮せど、痛快に憶えることよな」
「何をでしょう?」
「主が、木偶と烏合の極みたる愚民共から、民権の一切を取り上げた事よ」
「そうでしょうか、御前。
未だ私は、あれを悪夢に目覚めることのほうが多くございます」
「ふむ。そうであろうな。
儂とて、或れの当事者為り得たならば、未だ然様であろうよ」
「私はあれにより、幾度も命を脅かされました。
御前に救われねば、文字通りの生命か、人としてあるための「命」か、あるいはその双方か、、、
いずれ凌辱の極みを受け、今ここに居ることは叶わなかったでしょう」
「で在るか」
「暗愚共を評するに、”弱虐強悦”程言い得る葉も無い。
刃も砲も持ち得ぬ民草をして能く人を害するは他に見るを得ぬ、と何の大無頼漢氏に言わしめた事よ」
「公職の責は亦、民の責。
然様に箚せしめた者共も負うが理。
不遜の輩を場に登らしめた咎、其れを阻むに足らずした咎、
そして、斯様な振舞を黙して肯んずるを重ねた不許の咎」
「元来何れが欠けども、なるを得ぬ事よ」
「、、、、、は」
「やれ、或れの方が余程好ましい」
そういっておじいちゃんはぼくのほうにむけててでここえおいでをした。
ぼくはうれしくていそいでおじいちゃんのところにはしってった。
「よしよし。。。
急かんでも儂は逃げはせぬわ」
そういっておじいちゃんはぼくおなでてくれた。
「して、あの字。
唯の慰みで此処に参った訳では在るまい?」
「、、、さすがは御前。
用向きも、言わずでわかっておられるのでしょう?」
「ふん」
おじいちゃんはいつもくしゃっとしたかおおする。
このひとがくるといつもこんなんだ。
でもこのひとがきらいじゃない
このひとになにかいうひとがきらいなんだ
「去ね」
「、、、、、は?」
「斯様に伝えよ。
如何なるも含まず、侭に」
「宜しいのですね?」
「善い。
先々代に肩を入れたは、或れの粋に感じる処が在ればこそよ。
其れを辨えず、威を借れぬかと集る羽虫には、相応の贖いを求めんとな」
おじいちゃんはのどをならした。
こんなときのおじいちゃんわたのしそうだ。
「それならば、あの者達が御前の下へ来た時点ですでに達成されたと言えます」
「ほう?」
「すでに、文屋共はあの者達に目を付けておりました。
そして、御前から突き放された所を見計らい、一斉に公にして引導を渡す算段をつけているようです」
「為れば、些か心得違いの者が居る様だな?」
「と、申しますと?」
「或れよ」
ぼくにもわかった。
だれかがにわのところにいるみたいだ。
なにかごそごそしてるみたい。
「、、、つまみ出しますか?」
「好い」
「は。
しかしながら、、、」
「好きにさせよ」
おじいちゃんののどのおとがおおきくなった。
たぶんたのしいのがおっきくなったんだ。
「時に、あの字よ。
或れ等は、王弟殿下の姫君様に、不躾な振舞を見せた者共よな?」
「はい。
地雷だの大砲だのと称し、誇大に書き囃し立てたと記憶しております」
「為ればこそよ。
此度の事を書くは、彼奴らを限りとさせよ」
「、、、成る程。
その後に、彼らの醜聞を他社に晒して諸共に葬れ、と」
「而して、織り込んであろう?
忖度は主の得手とする所と憶えておる」
あのひとものどをならした。
すごくうれしそうだ。
「流石は御前。
いえ、先生」
「、、、先生は止せ。
従前より然様に含めておろう?」
「申し訳ございません、つい。
他意はございませんので」
「失礼致します」
「、、、む。
総て善きにな」
あのひとわいりぐちからでていった。
よくわからないけどおじいちゃんもあのひともうれしそうだしよかった。
「今日は気分が良い。
お前に此れを遣ろう?」
おじいちゃんわてでつるつるのいたをひきさいた。
うれしいにおい。
おにくのにおい。
おじいちゃんにとびのった。
「跳び乗るなと何時も言うておろう?
腰を破って、歩きも真艫に行くまいに、、、」
うれしくてしっぽがぶんぶんする。
おじいちゃんもこまっててうれしそう。
「儂も直に歳が二つ巡る。
好ましい者程疾く果てると言うが、真やも知れぬな」
「然在りとて。
暗愚が蔓延り害を為す限り、儂は果てるを得ぬのだろうな」
「はい」
「何時まで暮せど、痛快に憶えることよな」
「何をでしょう?」
「主が、木偶と烏合の極みたる愚民共から、民権の一切を取り上げた事よ」
「そうでしょうか、御前。
未だ私は、あれを悪夢に目覚めることのほうが多くございます」
「ふむ。そうであろうな。
儂とて、或れの当事者為り得たならば、未だ然様であろうよ」
「私はあれにより、幾度も命を脅かされました。
御前に救われねば、文字通りの生命か、人としてあるための「命」か、あるいはその双方か、、、
いずれ凌辱の極みを受け、今ここに居ることは叶わなかったでしょう」
「で在るか」
「暗愚共を評するに、”弱虐強悦”程言い得る葉も無い。
刃も砲も持ち得ぬ民草をして能く人を害するは他に見るを得ぬ、と何の大無頼漢氏に言わしめた事よ」
「公職の責は亦、民の責。
然様に箚せしめた者共も負うが理。
不遜の輩を場に登らしめた咎、其れを阻むに足らずした咎、
そして、斯様な振舞を黙して肯んずるを重ねた不許の咎」
「元来何れが欠けども、なるを得ぬ事よ」
「、、、、、は」
そういっておじいちゃんはぼくのほうにむけててでここえおいでをした。
ぼくはうれしくていそいでおじいちゃんのところにはしってった。
「よしよし。。。
急かんでも儂は逃げはせぬわ」
そういっておじいちゃんはぼくおなでてくれた。
「して、あの字。
唯の慰みで此処に参った訳では在るまい?」
「、、、さすがは御前。
用向きも、言わずでわかっておられるのでしょう?」
「ふん」
おじいちゃんはいつもくしゃっとしたかおおする。
このひとがくるといつもこんなんだ。
でもこのひとがきらいじゃない
このひとになにかいうひとがきらいなんだ
「去ね」
「、、、、、は?」
「斯様に伝えよ。
如何なるも含まず、侭に」
「宜しいのですね?」
「善い。
先々代に肩を入れたは、或れの粋に感じる処が在ればこそよ。
其れを辨えず、威を借れぬかと集る羽虫には、相応の贖いを求めんとな」
おじいちゃんはのどをならした。
こんなときのおじいちゃんわたのしそうだ。
「それならば、あの者達が御前の下へ来た時点ですでに達成されたと言えます」
「ほう?」
「すでに、文屋共はあの者達に目を付けておりました。
そして、御前から突き放された所を見計らい、一斉に公にして引導を渡す算段をつけているようです」
「為れば、些か心得違いの者が居る様だな?」
「と、申しますと?」
「或れよ」
ぼくにもわかった。
だれかがにわのところにいるみたいだ。
なにかごそごそしてるみたい。
「、、、つまみ出しますか?」
「好い」
「は。
しかしながら、、、」
「好きにさせよ」
おじいちゃんののどのおとがおおきくなった。
たぶんたのしいのがおっきくなったんだ。
「時に、あの字よ。
或れ等は、王弟殿下の姫君様に、不躾な振舞を見せた者共よな?」
「はい。
地雷だの大砲だのと称し、誇大に書き囃し立てたと記憶しております」
「為ればこそよ。
此度の事を書くは、彼奴らを限りとさせよ」
「、、、成る程。
その後に、彼らの醜聞を他社に晒して諸共に葬れ、と」
「而して、織り込んであろう?
忖度は主の得手とする所と憶えておる」
あのひとものどをならした。
すごくうれしそうだ。
「流石は御前。
いえ、先生」
「、、、先生は止せ。
従前より然様に含めておろう?」
「申し訳ございません、つい。
他意はございませんので」
「失礼致します」
「、、、む。
総て善きにな」
あのひとわいりぐちからでていった。
よくわからないけどおじいちゃんもあのひともうれしそうだしよかった。
「今日は気分が良い。
お前に此れを遣ろう?」
おじいちゃんわてでつるつるのいたをひきさいた。
うれしいにおい。
おにくのにおい。
おじいちゃんにとびのった。
「跳び乗るなと何時も言うておろう?
腰を破って、歩きも真艫に行くまいに、、、」
うれしくてしっぽがぶんぶんする。
おじいちゃんもこまっててうれしそう。
「儂も直に歳が二つ巡る。
好ましい者程疾く果てると言うが、真やも知れぬな」
「然在りとて。
暗愚が蔓延り害を為す限り、儂は果てるを得ぬのだろうな」
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