"企業倒産のつめあと"こぼれ話
タイトルを見て「ナンノコッチャ」と思われた人、すみません。
ニンテンドー3DSのゲーム「A列車で行こう3D」のシナリオコンテストに入賞した拙作が「企業倒産のつめあと」というタイトルなのです。
このシナリオに関する裏話っぽい色々なので、わからない人は「プレイした人向けのサービス」と思ってスルーしていただければ、と。
もちろん読んでいただいても全然OKですよ?
すごく長文なので、覚悟を決めた人だけ続きをどうぞー
(1) マップのネタばらし
もしかしたら一目で「これ、うちの地元に似てね?」とか気づいた人もいるかもしれませんが、そこは「ニヤッ」としていただくということで。
色々な所でぽろぽろ書かれていて、自分でもどっかに書いた気がしますが、、、、 元ネタは「実家のある地方」です。
もっと言うと「制御付き振り子式気動車の特急が走行する西端の路線の終着駅付近」ですかね。
ここまでいうとわかる人はたぶんわかっちゃいますね。
マップを90度右へ回してもらえば「そういえば海岸線がなんとなく、、、?」と気づくかも。そうなるといいな。
でも地形(海岸線)は似ているだけで、そのままではないです。
理由は単純で、そのままだとほとんど開発の余地がないから。
平地をできる限り広げて、でも山地は削りすぎないように「各中心地の孤立感」を出す程度に残して。
南の海岸線は「隣町にはいかせないよ」という意思表示のために半島とか島とかを小さくして。
、、、とまぁいろいろしてるうち、下敷きにしたエディットデータ(もともとの地形に近かったヤツ)とはかなり変わってしまいました。
(2) オリジナルの要素とアレンジした要素
ネタになった地方の人から見ると「こんなものないよ?」というところが多々あると思います。
大体はわざと変えたものですが、地形とかをいじっててたまたまそうなったので放置した、みたいなものもあります。
そのあたり覚えている限りで書いておきます。
・城跡っぽい名前のバス停がある、お寺が立つ丘
=> これは現存する城山がモデルです。
はじめは何もなしでしたが寂しいのでお寺と公園を置きました。
お堀はアレンジ。
・マップ中央の温泉地
=> これも渓谷沿いに存在するとある温泉保養施設がモデルです。
たしか大型ホテルとかはありませんけど。
ちなみに現実の位置関係をあてはめるとマップ北東部の小さい平地部分に存在するはずの施設になります。
・マップ北東辺りの公園
=> ここはアレンジで、モデルは近隣にある日本庭園です。
実際の施設はゲームマップの東側(しかもかなり遠く)にあります。
本当は動物園とか鉄道を通すうまみがある施設にしたかった(泣
・マップ中央西側の湖
=> 近隣にあるダム湖がモデルでは? と思われるでしょうが、ここも実はアレンジです。
もとは平地で開発できる土地でしたが、マップクリアが簡単になりすぎたので近い位置に置いてたダム湖を広げました。
(3) シナリオテーマ
このシナリオのテーマは「押し付けられた不良債権の再生&計画破産の回避(苦笑」なんですが、裏のテーマとして「アクセスの悪さ&交通不信からの脱却」があります。
時々経理部長やら営業部長やらがぼやいたり頑張ったりする強制幕間イベントが入りますが、これが裏テーマに関連するイベントです。
半分くらいはネタですが、もう半分くらい事実ベースのちょっと誇張入り、という感じです。
余談ですが、たまーにシナリオのプレイ実況をしていただく時にわざわざネタイベントをカットしてもらっているので、強制開始ではなく秘書ボタンが出るだけの任意開始にできるようにしてほしかったなー、なんて思ってしまいます。
元ネタの地域は地方創生という国の旗印に従ってか最近かなり力が入っているものの、少子化とか都心回帰とかで徐々に細ってます。
観光拠点になるホテルとか観光地の整備は結構進んでいて、郊外型量販店の出店も増えているけど、その分住宅とか会社とかが減っているという。
鉄道もその流れに合わせてか、各停の普通列車よりも都市間をつなぐ特急列車を重視するようになりました。
昔は新幹線乗り換えから実質6、7時間、乗り換えミスすると深夜到着覚悟で最悪泊りがけコースだったものです。
それが今は、超繁忙期のダイヤ遅延とかがなければ5時間そこそこで到着できます。
高速カーブに特化した快適な電化特急車両の導入とかもあったんでしょうが、特急優先のために各停を減らす「住民後回し」の施策をするほかなかった苦悩というのもあるかもしれません。
新幹線のような高速輸送専用路線がどうしても欲しい、と言い続けていた理由がわかる気もします。
観光面ではうらぶれた場末の地方都市、といったところですが、何気に色々メディア露出もしてるので、観光ブームでもくれば盛り返せるんじゃないか、なんて期待をしてみたり。
と、長々とモデルになった地方の話をしてしまいましたが。
このシナリオマップも公共交通の利用率を上げて隣町との交流をどんどん進めれば一気に発展していく感じになっているので、もしクリアに苦しんでいる人がいれば交通への先行投資を重視してみてはいかがでしょうか。
(4) 資源、とくに農林水産業
このマップの中には、農作物や水産物の生産拠点が多く、木材を供給する森林を多く配置しています。
もとになった地方の中心産業がそれらである、という宣伝みたいなところもありますが、開発を続けると無くなる資源なので、風景を取るか開発を取るか、というのを考えてほしいというところもありました。
まぁたぶんほとんどの人は開発を取っているでしょうが(苦笑
モデルになった地方は、人が多い中心地こそ開発が進んでいますが郊外は自然ばかりのところです。しかし、産業自体は進化や改革を模索しています。
新たな養殖魚や育て方を模索して販路拡大を狙う漁業、旧来の品種と新たな品種をそろえてブランド化戦略を狙う農業、そしてそれらを扱う道の駅などの販売拠点の拡大。
正直「この地方だけである程度なら自給自足できるんじゃ?」と思えるくらいに産品は充実してきています。
林業だけは高齢化や荒廃した山林の増加で需要があってもついていけそうにないですが、若手が増えてくれば細々とでも進んでいくかもしれませんね。
あと食いしん坊ネタがいくつかでてきますが、「アコヤ貝の貝柱」のネタは誇張じゃなく本当です。
「真珠を作るための貝」ということしか知らない人からすればちょっとびっくりの特別扱いネタですね。
あれは知る人ぞ知る地物の珍味という位置づけなんですが、あれはかなり昔から実在していて、真珠養殖をしている地方だと(漁師・養殖業者の間で)わりと知られているものです。
真珠と一緒に獲りはしますが、ちゃんと貝柱と珠は別個に確保してるんですよ。
もちろん真珠養殖用なので仕掛ける数が食用の貝ほど多くはなく、しかも健康に生存していた分しか獲れないので、よほどの真珠生産量がないと一般流通させるほどは量がでないんです。
本当に美味なので、もし通販とかしているところがあればぜひお試しを。
ちなみにネット検索すればわかりますが「身は食用にはならない」というのが定説です。(なんかあまりおいしくなかったらしい)
事実、地元でも貝柱以外の身が流通しているところはほとんど見たことありません。
、、、でしたが、最近は「食用あこや」という全部食べてしまえるものを育てているところがあるそう。
販促としてパティの代わりにアコヤ貝の丸ごとフライをいれた「あこやバーガー」なるものを道の駅で売っていました。
トイレを借りるために寄ったので結局素通りでしたが、ホタテや牡蠣のようなメジャー貝類のようなおいしいものになれば、それはそれでおもしろいでしょうね。
(5) あたらしい追記:シナリオの心残り
実はこのシナリオ、ちょっと心残りがあるんです。 いがないように全力で、とやってみたんですが、「やっぱりああしとけばなぁ」というところは後からわいて出てくるものです。
(い) 銀行融資の凍結
銀行サービスを無効化していないので、融資機能を使って資産目標を達成して後は知らんぷり、という計画破産ができてしまうんですよね。
これはとあるプレイ動画で実行されるまで気づきませんでした。
できるだけ自由にプレイしてもらえれば、と考えてシステムはノータッチだったのですが、あそこまで堂々とやってくるなら専用イベント付きで無効化すればよかった、なんてと思います。
ただ融資を凍結すると「いばらの道」で遊ぶ余地がほとんどなくなるので、融資禁止にしたら正直ただの駄作になってしまいますね。
気が向いたらハードモードシナリオ作ろうかしら。3DSゲームの需要がいまだにあったら、、、とか言ってましたけど、もう結構Nintendo Switch版にシフトしちゃってますね(汗)
(ろ)道路や鉄道のファンファーレイベント
入れられるイベント数に限りがあるため、泣く泣く削ったイベントがいくつかあります。
そのほとんどが「鉄道xxxkm敷設」とか「道路xxxkm敷設」とかのファンファーレイベントで、鉄道のクリア条件を達成したときでひとつ、路面電車でひとつ、は残してますが、あとはほとんど無くしてしまいました。
「公共交通の発展で街がにぎやかになってきた」というのをもっと出したかったんですが、、、
まああの程度で抑えてたからゲームテンポがそれほど崩れなくてかえって良かった、と考えておきましょう。
コメント