初音ミク Project DIVA (シリーズ) - 概要
「初音ミク」とは、一般の方にもだいぶ認知されてきた「歌声DTMソフトウェア」、その人気の火付け役とも言えるクリプトンフューチャーメディア社のボーカルライブラリです。
その「初音ミク」などを使用したボーカル楽曲を採用したリズムアクションゲームが、「初音ミク Project DIVA」シリーズです。
このあたり、どちらもわりと有名な話なので今さら言うことではないですね、はい(汗
このゲームに近しいシステムの作品はいくつか出ていますが10年近くも続いているものはほぼありません。
それだけ努力と熱意の量がすごかったということでしょうか。
ゲームシステムは「流れてくるボタン(キー)マーク型音符に合わせてボタンを叩く」というスタンダードよりのものが中心ですが、のちにリリースされたシリーズにはスライド・ホールド・フリップを駆使するタッチスクリーン特化のものもあります。
収録された楽曲はその名の通り「初音ミク」を使用したものが中心でしたが、アップデートや続編リリースでクリプトンフューチャーメディア社の鏡音リン・レン、巡音ルカ、KAITO、MEIKOのライブラリを使った曲が追加されました。
さらに一部の作品ではインターネット社がリリースした「Megpoid」ライブラリの曲も一部収録されており、会社の垣根を超えたさらなる可能性を感じさせました。
(実際のところ、該当作品以外ではそれほど大きな動きがないため、残念ながら「可能性」どまりで終わっていますが)
さらに動画配信サービスの進化や動画作成者の技術向上などによってユーザーが求める音楽や動画のレベルがあがると、この作品に収録されるゲーム背景PVの内容なども進化していきました。
当初は曲に合わせて3Dモデルが簡単なダンスモーションをするようなものがほとんどでしたが、シリーズが進むにつれてアニメ動画風のものや楽曲のオフィシャルPVをフィーチャーしたようなもの、ゲーム中のプレイ結果でPVが変化するようなものなど、ユーザーを飽きさせないものがどんどん増えていきました。
今では当たり前となった「リズムゲームのプレイ動画配信」ですが、このゲームシリーズがその黎明期を作ったきっかけのひとつになったのでは、なんて思ってしまいます。
このシリーズはメインとなるリズムゲーム部分だけでなく、ちょっとしたサイドモードにもかなりの力が入っているのも特徴です。
PVを一時停止してスクリーンショットを取得、文字や絵などでデコって画像出力する「フォトモード」や、ゲーム空間内にミクさんたちが住んでいるという設定のもと部屋を訪れてコミュニケーションを取るモード、ハードに搭載されたAR機能を利用したAR写真モードなど、ミクさんたちを愛でられるモードが毎回収録されています。
さらにはリズムゲームだけどちょっと違う「アルプス一万尺」や全く関係ない「ぷよぷよ」など、さすが前衛的なことについてはトップランナーと言えるSEGAらしさ全開のミニゲームが収録されていることも。
もちろんリズムゲームで使用されている音源やPVの視聴ができる機能もあるため、ずっと遊んでいられるゲームシリーズといっても過言ではないかもしれません。
ちなみにここまでの話は、当初からシリーズの柱となっていた主軸の2系統、
(1) シリーズの先駆けで常に新たなスタイルを模索しつづけた、オリジナル系統の「Project DIVA」シリーズ
(2) 低年齢のプレイ層を反映し、遊びやすさとかわいさを押し出した、派生系統の「Project mirai」シリーズ
の情報になります。
ここに最近、スマートフォン向けのUIやシステムを採用した、他社とのコラボレーションによる新機軸「プロジェクトセカイ」というシリーズが追加され、新たな地平を生み出しました。
「プロジェクトセカイ」はゲーム内のアーティストグループと初音ミクたちが一緒に歌う楽曲をプレイする作品となっており、リズムゲームのシステムは類似コンセプトの別ゲームのものを使用しています。
プラットフォームがスマートフォン中心ということで入りやすく、動画配信サービスやSNSなどでの情報露出も活発になっています。
半面、主軸シリーズの動きはやや鈍目で、「Project DIVA」シリーズのアーケード版「Future Tone」に連なる系統の作品で多少の動きがあるほかはかなり鈍い状況となっています。
シリーズの屋台骨を支えた作品系統だけに新作を望むファンの声も少なくはないようですが、今後どうなるかの見通しは不透明といったところです。
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